WordPressなど多くのWebサイトは、PHPというプログラミング言語で動いています。PHPには、ときどき脆弱性(セキュリティ上の弱点)が見つかります。見つかった脆弱性は、新しいバージョンで修正されます。
ただし、修正されるのはサポート期間中のバージョンだけです。サポートが終わったPHPを使い続けると、脆弱性が見つかっても修正されません。この記事では、PHPの脆弱性の危険性と、2026年10月時点のサポート状況を紹介します。
PHPの脆弱性で起こること

PHPなどプログラミング言語の脆弱性を悪用されると、次のような被害につながるおそれがあります。
- ・Webサイトの改ざん(ページの書き換え、不正なリンクの埋め込み)
- ・お問い合わせフォームなどから入力された個人情報の流出
- ・迷惑メールの送信や他サイトへの攻撃に使われる。
特に危険なのは「リモートコード実行」と呼ばれる脆弱性です。
外部から、サーバー上で好きなプログラムを動かされてしまいます。2026年10月21日に公開されたPHP 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35でも、認証なしでリモートコード実行ができる重大な脆弱性が修正されました。
PHPのサポートは2種類
PHPの各バージョンは、リリースから約4年間サポートされます。
サポートは次の2段階です。
アクティブサポート(約2年)
不具合の修正とセキュリティ修正の両方が行われます。
セキュリティサポート(約2年)
重大なセキュリティ問題だけが修正されます。
セキュリティサポートが終わると「サポート終了(EOL)」となり、PHP公式による修正は行われなくなります。
PHPのバージョン別サポート期限(2026年10月時点)
| バージョン | リリース日 | アクティブサポート | セキュリティサポート | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| PHP 8.6 | 2026年11月予定 | - | - | 開発中(RC版) |
| PHP 8.5 | 2025年11月20日 | 2027年12月31日まで | 2029年12月31日まで | サポート中 |
| PHP 8.4 | 2024年11月21日 | 2026年12月31日まで | 2028年12月31日まで | サポート中 |
| PHP 8.3 | 2023年11月23日 | 終了(2025年12月31日) | 2027年12月31日まで | セキュリティ修正のみ |
| PHP 8.2 | 2022年12月8日 | 終了(2024年12月31日) | 2026年12月31日まで | まもなく終了 |
| PHP 8.1 | 2021年11月25日 | 終了 | 終了(2025年12月31日) | サポート終了 |
| PHP 8.0 | 2020年11月26日 | 終了 | 終了(2023年11月26日) | サポート終了 |
| PHP 7.4以前 | - | 終了 | 終了(7.4は2022年11月28日) | サポート終了 |
※2026年10月時点の情報です。最新の情報はPHP公式サイト(Supported Versions)でご確認ください。
PHP 8.2は、2026年12月31日でサポートが終わります。8.2以前を使っている場合は、早めにPHP 8.4や8.5への切り替えを検討しましょう。
古いPHPを使えるレンタルサーバーもある
レンタルサーバーによっては、公式サポートが終わった古いPHPにも対応しています。
たとえばエックスサーバーでは、PHP 7系のバージョンも使えます。
ただし、対応の内容はサーバー会社ごとに違います。PHP公式の修正は行われないため、古いバージョンはあくまで移行までのつなぎとして使いましょう。
古いPHPを使い続ける場合は、契約しているサーバー会社の公式サイトで、対応状況を確認しておくと安心です。
WordPressで使っているPHPのバージョンを確認する方法

WordPressの場合は、管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブを開きます。「サーバー」の項目に、PHPのバージョンが表示されます。
レンタルサーバーの場合は、サーバーの管理画面(コントロールパネル)の「PHPバージョン設定」などでも確認できます。
PHPのバージョンを上げるときの注意点
PHPのバージョンを上げる場合、サイトが表示されなくなる可能性があります。
- 切り替えの前に、サイトのファイルとデータベースのバックアップを取りましょう。
- WordPressの場合は、本体・テーマ・プラグインが、PHPのバージョンに対応している必要があります。
- 古いテーマやプラグインは、新しいPHPで動かないことがあります。テスト環境があれば、先に動作を確認しましょう。
- PHPを切り替えた後は、トップページ・記事ページ・お問い合わせフォームなどが正しく動くか確認してください。
レンタルサーバーの多くは、管理画面からPHPのバージョンを切り替えられます。
サブドメインなどで確認して、テスト不具合が出た場合は、元のバージョンに戻すこともできます。
まとめ
PHPは、サポート期間中のバージョンを使い、最新のマイナーバージョンに更新することが大切です。年に1回はバージョンとサポート期限を確認し、期限が近ければ早めに切り替えましょう。